「一度上げた生活レベルを下げることは難しい」と誰かが言っていたけれど、今の私にはその言葉が痛いほどよくわかる。
頭では理解しているのに、なかなか実行できない。以前は節約することも苦ではなかったのに、いったん便利で快適な暮らしに慣れてしまうと、元の生活にはなかなか戻れない。むしろ、それを手放すことが「我慢」や「後退」のように感じてしまうのだ。
まるで、自分の生活レベルを下げることが、自分の価値まで下がることのように錯覚してしまっていた。
借金をしてまで維持してしまった「普通の生活」
私は、特別に贅沢をしていたわけではない。少し良い服を買ったり、便利なサブスクを使ったり、たまには外食で気分転換をしたり──それは「ちょっとした楽しみ」であり、「普通の生活」の範囲だと思っていた。
でも、その“普通”が積み重なって、気づけば毎月の収支は赤字に。ボーナスで帳尻を合わせるつもりが、結局追いつかず、クレジットカードやローンに頼る生活に変わっていった。
そして気づけば、借金がじわじわと膨らんでいた。
どうにかしなきゃ。でも、どうすればいい?
借金のある生活は、精神的にも想像以上に重い。
「何とかしなきゃ」と思っても、日々の忙しさやストレスから、つい現実から目をそらしてしまう。そしてまた、お金で小さな癒しを買ってしまい、気づけばまた支出が増えている。この悪循環、本当に恐ろしい。
だけど、もう限界が近い。
利息は容赦なく膨らみ、返済の負担は日々の自由を奪っていく。「このままではダメだ」という焦りが、ようやく私の心に深く根を下ろし始めている。
現実と向き合うということ
これから私は、まず自分の現状を正確に把握することから始めるつもりだ。
- 借金の総額はいくらか
- どこに、どれだけ借りているのか
- 月々の返済額と利息の負担はどの程度か
数字に向き合うのは怖いけれど、見える化しなければ、漠然とした不安だけが膨らみ続けてしまう。
次に、生活費の見直しをする。
スマホのプランや保険、サブスクなどの固定費を見直し、本当に必要なものだけを残して、あとは思い切って手放す。変動費も同じ。食費や交際費、趣味など、何が本当に自分にとって大切なのかを選び取っていく。
「節約=我慢」だけじゃ続かない
もちろん、それは簡単なことではない。
「我慢」や「節約」だけでは、心がすり減ってしまうこともある。だからこそ、お金を使わなくても心が満たされる方法、自分を癒せる工夫も同時に見つけていく必要があると思っている。
たとえば、散歩、読書、手帳に感情を書き出すこと、静かなカフェで過ごす時間。そうした小さな「満足」を積み重ねることで、私は生活レベルを下げつつも、心の豊かさを失わずにいられるかもしれない。
「生活レベルを下げる」は、負けじゃない
今の生活を変えるのには、正直、勇気がいる。
「過去の自分」の選択を否定するようで、どこかプライドが傷つくからだ。でも、それ以上に、「これからの自分」を守るために必要なことだと、やっと心から思えるようになってきた。
生活レベルを下げることは、決して「負け」なんかじゃない。むしろ、自分を取り戻すための前向きな選択。
だから私は、ここから少しずつ、現実と向き合っていこうと思う。派手なことはできなくても、できることから、一歩ずつ。
小さな習慣の積み重ねが、きっと未来を変えてくれると信じて。
あなたももし、同じような思いを抱えているなら
焦らなくてもいい。責めなくてもいい。
私もまだ、道の途中。だけど、一緒に「変わる勇気」を持っていけたら、きっと少しだけ楽になれる気がする。